従来より音楽制作にSinger Song Writerを使用するプロフェッショナルな面々に、従来バージョンまでの評価、新しいバージョンの評価をインタビュー。
プロフェッショナルが薦めるSinger Song Writerの機能で、あなたの音楽制作もきっと変わるはずです。
以前から「Singer Song Writer」をお使いいただいていましたが?
 
恩田:そうですね。ジュディ&マリーの頃から、メンバーにある程度曲のイメージを伝えるために使っていました。楽曲を作成する場合、まずメロディとコード進行を先に創った状態から、スタジオに入るんですが、セッション的に曲を仕上げていくと時間が掛かってしまうので、ある程度のヘッドアレンジをした状態まで創ってしまうことが多いですね。「Singer Song Writer」は、メロディとコード進行があれば、アレンジデータを元に楽曲を膨らませることができるので便利なんですよ。

現在は、どのような感じでお使いですか?
 
恩田:最近は、女性ボーカルをプロデュースすることが多いのですが、まずレコード会社と打ち合わせをする際に、ノートパソコンにヘッドアレンジした楽曲を持って行って、その場でアレンジやバッキングトラックの音色を変更したりしてます。変更したバッキングトラックもすぐに、付属のソフト音源を経由してオーディオデータにレンダリングして、音楽CDで渡せますから、実際に自宅スタジオでボーカルをレコーディングする時、楽ですね。

Singer Song Writer 8.0 VSのベータ版を触ってみた印象はいかがですか?
 
恩田:今回、特にオーディオの機能が大きく変わって、エフェクトがVSTに対応したことで他社製のものも使えるようになったことや、VSTiとACIDファイルに対応したのが大きいですね。曲をアレンジしていく上ではリズムトラックが重要ですが、例えばヘッドアレンジの段階から生ドラムのACIDファイルをループさせて、サンプラー系のVSTiでスネアやキックの音を足せば、グルーブ感や空気感まで再現できるので、曲のイメ?ジが明確にできますからね。ただ、あんまり創りこみすぎると、ドラマー泣かせになるので程々にしないといけませんが・・(笑)、自宅でドラムを録音できない環境の人には特に便利ですね。そういう意味でも、楽曲作成のどの場面でも役立つオールマイティなソフトとしてはずせないですね。だから、既に何かのソフトを使用している人でも併用して使うことで、なにか足りないものを補ってくれるんじゃないかな。

恩田 快人(おんだ よしひと)元JUDY AND MARYリーダー&ベース
ミリオンセラー「そばかす」を代表とするメロディーメーカーとして数多くのヒット曲を生む。現在、HOT ROD CRUEを中心にいろんなアーティストに楽曲の提供やプロデュースと幅広いフィールドにて活躍。


従来の「Singer Song Writer」はいかがでしたか?
 小川:DTMの専門誌の仕事もしている関係で、様々なシーケンスソフトを使ってきましたが、Singer Song Write使用歴も実は結構長くて、実際、作編曲の仕事の際にも色々な場面で使っています。例えば、アレンジデータとして収録されている様々な音楽ジャンルの雛形は、曲を作ったりアレンジを構築する上でヒントになることも多いので、頼りになります。また、ギターの練習をする際にも、多種多様なバッキングパターンを瞬時に呼び出せるのでとても重宝しています。従来の6.0 VSではMIDIの打ち込みのしやすさと、バーチャルトラックを使ったループレコーディングができるオーディオ機能が便利でしたね。私のようにギターの録音をメインとしつつも、アレンジや曲作りも行うという人。そして本格的な曲創りもしたいけれど、時にはもっと手軽に音楽を作りたいという人に向いてるソフトだと思います。

Singer Song Writer 8.0 VSベータ版を触ってみた印象はいかがですか?
 小川:8.0 VSに関しては、以前から欲しかった機能がかなり盛り込まれています。例えばVSTiやVSTエフェクトに対応したことで、サウンド面で様々な選択肢ができました。また、レコーディング周りでは、ASIOダイレクトモニタリングに対応しているばかりでなく、Rec Loop Backができるのが良いですね。これは外部から入力しているギターの音にSinger Song Writer上でプラグイン・エフェクトを掛けて、リアルタイムにモニタリングしながらのレコーディングができるというものです。プラグインで質のよいエフェクトも結構出回っているので、それらがリアルタイムに使えるというのは嬉しいことです。複数トラックを使ったループレコーディングにも対応しており、従来よりもさらに本格的なレコーディング環境が整ったという感じがします。

小川 悦司(おがわ えつじ)ギターリスト、コンポーザ−
大学在学中からプロとしての活動を始める。竹本孝之、三好鉄生、 劇団四季、中西圭三、五十嵐はるみなどを始めとした多くのアーティストのステージ、レコーディングに参加。同時に、DTMのオーソリティーとしても有名で、DTMの情報誌「DTMマガジン」に連載を持つなど関連書籍多数。様々な楽器の開発やデモにも携わっている。


TU-KAで提供されているfunstyleとはどういった曲データですか?
 近:当社のfunstyleは、専用のMIDI音源チップを搭載し、携帯電話では脅威の64和音と生演奏を思わせる曲を再生できます。言葉を返せば、それだけ緻密なデータの作成が必要となります。また、短いサイクルで新曲を作成しないといけないため、作成ツールは、正確にスピーディにすべての作業が行えるということが重要になってきます。

「Singer Song Writer」を制作ツールとしてご使用いただいていかがですか?
 近:基本的なSinger Song Writerの使い方としては、ステップ エディタでデータを入力、再生による試聴とスコアエディ タで視覚確認を行いつつ、ステップエディタで一音一音緻 密な編集という流れになります。シーケンサーとしての基 本部分はもちろんですが、様々な編集が同一画面で連続し て行えるグローバル編集ダイアログや、演奏ニュアンスを緻 密に設定できるエクスクルーシブエディタの操作性が抜群 によく、編集作業を正確で効率いいものにしてくれます。ま た、ミキサーは視認性がよく、曲全体を把握してバランスを とりやすいので、非常に重宝しています。

Singer Song Writer 8.0 VSのベータ版を触ってみた印象はいかがですか?
 
近:MIDIのシーケンス部分になりますが、ステップエディタでは、各種コマンドをショートカットキー入力に対応したり、入力済みのコマンドをフィルターで非表示にしての編集など作業スピードや効率がさらによくなるし、正確なものになると思います。スコアエディタでは、装飾音符や楽譜記号などのサポートも増えていますので、さらに確認が楽になりそうです。そして、細かい部分ですが、グローバル編集ダイアログなどもボタンひとつで呼び出せるEZアクセスツールや気配りの機能も実際使う側からすると非常に助かる機能ですね。皆さんも、この新しい機能の違いがわかるぐらい、MIDIをとことん使い倒して曲作りを極めて欲しいです。そして、funstyleの音色マップも装備しているので、ぜひfunstyleのデータを作ってTU-KAの携帯電話でも聞いて欲しいですね。

近 陽里(こん ようり)株式会社ツーカーセルラー東京
1999年ゲーム会社より転職。前職でのサウンドクリエーターとしての経験を活かしてfunstyleサービスの音源開発・コンテンツ制作に携わる。