ホーム > 製品情報 > ABILITY 3.0 > アーティスト




作詞・作曲・編曲家、ボカロP、DJとして多方面に活動をされるEasyPop/BETTIさん。
代表曲でもあるボーカロイド曲「ハッピーシンセサイザ」は、ABILITYの前身でもある「Singer Song Writer 8.0 VS」で制作とのこと。

当社代表村上が、Singer Song WriterからABILITY 3.0の変遷を踏まえ、その魅力をインタビュー。



代表作でもあるハッピーシンセサイザは、Singer Song Writerとハードウェアシンセサイザで作られていた。
村上:EasyPopさんといえば、当社のVOCALOID Megpoid(GUMI)をボーカルに起用していただいた楽曲「ハッピーシンセサイザ」に代表されるような、キャッチーなメロディーとエレクトロダンスミュージック系のアレンジに定評がある作風だと思いますが、実はSinger Song Writerの古くからのユーザーさんということをお聞きしました。
EasyPop:そうなんです。
僕のもっとも知られていると思われる「ハッピーシンセサイザ」も、インターネットさんのABILITYになる前のSinger Song Writer 8.0 VSで作りました。


村上:当時は、あまりソフトシンセは使っていなかったのでしょうか?
EasyPop:はい。
ハッピーシンセサイザの頃はすでにソフトシンセを使うことは一般的であったと思います。
ただ、僕の場合はパソコンの負荷を考えてしまって、Singer Song Writer 8.0 VSをインストールしたパソコンに、ローランドさんのMIDIインターフェイスを使いハードのシンセを5台ぐらいつないでいました。
そして、シンセから出る音をミキサーにつないでSinger Song Writerでオーディオ録音してからトラックダウンという流れで作っていました。
もちろん、ハッピーシンセサイザも同じ方法で作っています。

村上:エフェクトなどは使っていたのでしょうか?
EasyPop:そうですね。
作っている時もSinger Song Writer 8.0 VSに搭載されているEQやグラフィックイコライザーなどをメチャクチャ使っていました。
オーディオにした後も、Singer Song Writerでエフェクトを掛けてトラックダウンして、マスターに出力していました。

村上:MIDIの入力や編集は、スコアエディタが中心でしょうか?
EasyPop:今はピアノロールエディタを使っていますが、その当時はほぼスコアエディタでしたね。

僕が20年前にDTMを趣味で始めたときに最初に使ったソフトは、ビギナー向けの「スコアで音楽を作ろう」みたいなソフトでした。
そのあとに見つけたのがこのABILITYの前身のSinger Song Writerで、スコアに特化しているじゃないですか。
はじめの頃は、アーティストやアイドルの楽譜の本を見ながら打ち込みの練習をしていたので、それも乗り換えるにあたってよかった点です。

柔軟でモダンDAWの空気感を感じさせてくれるABILITY。
搭載のコードパッドはアレンジの強い武器になる。
村上:ABILITY 3.0を使っていただいてどんな感じでしょうか?
EasyPop:ファーストインプレッションとして、まずは操作が柔軟になったなというイメージがすごくあります。
長くSinger Song Writerを使ってきたので、イメージとか空気感的に自分の中ではすごくシーケンサーという空気感があったので、そういうところから比べると、見た目的な部分もありますが、「かなりモダンDAWの空気を取り込んで来ているな」と、感じています。

村上:ワンウィンドウにも対応していますから…
EasyPop:そう、ワンウィンドウモードに対応していますよね。
これは良くも悪くも流行りですが、もともとSinger Song Writerはワンウィンドウではなくそれに慣れていたので、使ってみましたが結局従来通りのワンウィンドウでない方に戻ってしまいました。


村上:曲を開いた状態でモードを替えられますから、環境や操作に応じて好みの方を使ってもらえればと思います。
開発としてはかなりパワーを掛けたところではありますが…
実は僕もワンウィンドウはあまり使いません(笑)
EasyPop:クラッシックなシーケンサーから使っていた人からすると、ソフトにもよるとは思いますが、ウィンドウを開いて閉じてという作業も手に馴染んでいるかと思います。

ただ、色合いであるとかその辺も含めてユーザーインターフェースは大事だと思います。

村上:色合いも随分変わりましたから。
EasyPop:大事ですよね。
例えば、ミキサーのVUの光り具合とか、こういうのってモチベーションに関わってくるので、そういうのは大きいなと思います。

あとは、昔はパソコンのマシンパワーが低かったというのもありますが、オーディオトラックのオートメーションを書いたときには落ちることもあったと思います。
だからオートメーションをSinger Song Writerで書いたりとかはあまりしなかったのですが、今は当然のように仕事でオートメーションを書いています。
点をつけてグニャグニャ曲がるっていう、あれも凄く柔軟になっていて、手触りがかなりモダンDAWの空気感を持ったなって、それは凄くファーストインプレッションで感じました。

村上:今回、コードパッドがつきましたが、これも試していただきましたか?
EasyPop:もちろん、試してみました。
他のDAWでも5度圏であったりとか似たようなものがありますが、これは目で見て横に並んでいるのも大きいですが、最初3つ重なった普通のコードから始まって、7thを入れたりとかテンションを入れたりとかできますよね。

あと、色ですよね。
濃い色ほど予定調和というか、そっちに行きますよという意味合いがあるかと思いますが、そういうルールもあるので、例えばコード理論にそんなに詳しくない人でも予定調和通りいけば、耳なじみのあるコード進行も作れますし、ちょっとひねったものを使いたいって時は、薄い色で表示されているコードであっても良いし、でもそれは理に適っているわけじゃないですか。
理に適っているからここに載っているわけで、変なものにはならない。

なので、凄くいいガイドというか、これはなかなかしてやったりというか、コード理論が難しい人にもアレンジするときに凄いくいい武器になるなと思いましたね。




100トラックを超えるプロジェクトファイルもフリーズ機能を使いMIDIトラックをワンクリックでオーディオ化。
村上:Singer Song Writer時代から使っていただいて、気に入っているところとかはありますか?
EasyPop:たくさんありますが、今回の新機能じゃないところからいうと、細かい機能ですが、MIDIの打ち込みの際、調を変えたい時に、この左側のトラック設定部のところに数字を入れるだけで、簡単にハ長調で作っているところをDに上げたり、数字を変えるだけでそこのトラックの調が上がり下がりするというのは結構大きいかなと思いました。

また、これは昨今のDAWでは基本かもしれないですけど、トラックをオーディオにするフリーズ機能は大きいですね。

村上:特にトラック数をたくさん使う場合は必要ですね。
EasyPop:全くその通りです。

村上:いつもどれくらいのトラック数をお使いですか?
EasyPop:まあ、1曲のプロジェクトファイルで100トラックは超えています。
100を超えて全部ソフトシンセとかって穏やかじゃないので、そういうところも考えると絶対にオーディオトラックにしておきます。
ワンクリックで簡単にオーディオトラックにできますから。



村上:楽器はあまり弾かれないのでしょうか?
EasyPop:はい、作曲するときにコードを押さえる程度ですね。

村上:100トラックというのはMIDIトラックで100ですか?
EasyPop:よーい、ドンで100トラックあるわけではなく、全部できあがって100トラックになる感じです。

僕の場合、AメロとBメロで違う楽器にしたり、サビになって初めて出てくる楽器もあります。
アルペジオにしても3つの違うシンセを使ったりもします。
さらには、ハイハットも1種類じゃなく、クラッシュもサビと大サビと落ちサビで変えたりするので、そういうところでもトラック数が増えています。

あとボカロでいえば、ボーカルのトラックですね。
サイドのハモリとか、そのハモリでもBメロになるとトラックを変えたりしているので、ボーカルのトラックだけでも40~50トラックを使うことになります。

村上:では、ワントラックをオートメーションでコントロールとかはされないのですね?
EasyPop:そうなんです。
あまりしないですね。
特殊かもしれませんがそういうとこもあるし、凄いスペックのパソコンを使っているので無理も利いてくれますね。
でもそういう使い方でなくても、ノートパソコンとかミニマムな作業環境でされている方は凄く多いと思うんですよね。
そういうことも考えてフリーズ機能は絶対に必要だと思うので、あってよかったって思いますね。

できるだけ余分なインサートエフェクトを使いたくない。
だから、ストリップエフェクトがすごくいい。
村上:その他はなにかありますか?
EasyPop:新機能でいうと、チャンネルストリップですね。
チャンネルストリップと言ってもビギナーさんはちょっとピンとこないかも知れませんが、ミキサーの中にイコライザーとコンプレッサーとダイナミックス系のエフェクトが入っていますよね。
インサートで挿さなくてもエフェクトが使えるので凄くスマートでミニマムにできます。
僕は、インサートエフェクトに余計なエフェクトを挿したくないタイプなのですごくいいです。

例えば、ボーカルなんてLOWを切ることが多いので、チャンネルストリップのEQを入れてLOWを50辺りまで切って、「これがデフォルトだよ」ということにしておいて、その後にサードパーティのエフェクトを入れるとかできると思うので、腰が軽いというか凄くいいなと思いました。
村上:設定の保存もできますね。
EasyPop:ああ、いいですよね。
最初から立てておけますもんね。
ここはボーカルのトラックというようにして。

あと、ミキサー横に表示されるヒストリーも大きいですよね。
なかなかミキサーのヒストリーってオンリーワンっていうわけではないですけど、大きいですね。


村上:誤って操作してしまうことがありますからね。
EasyPop:あります、あります。
落ちたりとかもあるかもしれないですし。
その場合は、それこそオートセーブもあるので、この機能も大きいですよね。

ミキサーのヒストリーは、性分によっては本当に細かくやる方とか専門的にやる方とかいると思うので、やっぱり戻せるというのは大きいですよね。

村上:エフェクトなんか弄っていて、さっきの方が良かったよなって感じですね。
EasyPop:そういうのは大いにありますよね。

シンプルにトラック間をつなげるChannel Linkは考え方もシンプルで分かりやすい。
村上:まだ何かありますか?
EasyPop:あとはChannel Linkですね。
シンプルですごく分かりやすいです。

例えばリードでシンセのリフをレイヤーした時に、全部一緒の音量にしたい時などに凄く有用ですよね。

同じことは、バスとかVCAでもできるかも知れませんけど、その中で一番シンプルなトラック間で繋がるっていう発想が凄く良いなって思いました。

村上:VCAの場合もBUSを作らなくてすむけど、VCAトラックができちゃいますからね。
EasyPop:そうですよね。
煩雑じゃないんですけど、1個トラックができちゃうじゃないですか。
その点、チャンネルリンクというのはあくまでもそこだけのリンクで、いらなくなれば外すだけですね。

打ち込みで音楽を作る場合はシンセだけでも重ねることが多くて、例えばベースの音とかもサブで重ねるので、そういう時にMIDIの状態で音量を一緒に上下できるというのは凄く大きいなって思いますね。

村上:Singer Song Writer時代からですが、1つのトラックから2つのソフトシンセで音が出せるんです。



EasyPop:そうなんですか?

村上:サブポートというのがあるんです。
EasyPop:えー、それだと重ねられますね。
それは知らなかったです。
メチャクチャ大きいですね。

例えばコードバッキングとかで下が弱いなって時に、僕はよくやるんですけど、一番下の音だけシンセベースにしたりとか、それも煩雑じゃなくスマートにできますね。

その上でチャンネルリンクもできれば、より管理しやすいってことですよね。
打ち込みで作る場合は、あれもこれもできるので重ねちゃうし、色んなトラックをつくっちゃうし、如何にシンプルに完結できるかって大事だと思います。

あとはオーディオイベントのリージョンですね。
オーディオのブロックの中だけでリージョンが動くので、切ったりループしたりしなくて良いですよね。
その場だけで動かせるので余計な作業が減るし、オーディオを貼り付けるたびに小節が伸びたりしないですよね。
目がいかない人がいるかもしれませんが、DAWの作業って基本は切り貼りなのでこれはかなり良いなと思いました。
キックの音をよく聞かせたい、洋楽のような抜けたキックの音を作りたい。
そんな思いも収録のコンプレッサーが叶えてくれる。
村上:コンプにこだわりがあるそうですが?
EasyPop:はい。
僕はダンスミュージックを作っている時、4つ鳴っているキックの音をよく聞かせたい、洋楽のような抜けたキックの音を作りたいと思って、なんとかその音を出せないものかなと思って、ミックスの本を読みながら見よう見まねでSinger Song Writerのコンプレッサーに入力したら、物凄いアタックが出たんですよね。
バチッっていう接地面ですよね、それが出たときびっくりしたんです。

プリセットで入っているコンプレッサーって、スレッショルドとアタックとリリースだけで本当に素うどんみたいなやつですけど、その音がなかなか頭の中から離れないんです。
今でもよく使うんですけど、例えばキックであればスレッショルドを固定して、リリースを上下するだけで音の切れ具合が分かり易いので、凄く使いやすいなとは思います。


村上:そうですね、アタックは少し上げて頭には掛からないようにする感じですね。
EasyPop:そうです、そういうことですよね。
ガツッと胴鳴りはつぶしちゃうっていうやり方なんですけれども、こんな特殊な鳴りかたをしてくれるコンプはなかなか他にはないので、それを3つのスライダーだけでできるというのが使いやすいですね。

だからキックのソフトシンセをオーディオにしてからABILITYに入れて、このコンプを掛けてアタックを作って、トップのキックを作ったりもしますし、ローはアタックのないキックをサブに入れたりします。

あまり人には言ってませんが、スレッショルドを20ぐらい、リリースを0.33ぐらい、レシオを16.5ぐらい、そしてアタックを12.5ぐらいにすると凄い音になります。
曲作りのスタイルは変えない。
新しいものを取り入れながらも、音作りは僕の中だけの満足感が大切。
村上:曲作りをしていく上でのルーティンとかはありますか?
EasyPop:ソフトシンセを使っていますが、全部オーディオにするというやり方が染みついています。
その方が音にまとまりも出るし、いいと思うんですよね。

MIDIでアレンジする段階で、ある程度音量もバランスを決めてその音量のままオーディオにするので、その段階で6割ぐらいはトラックダウンができている感じですよね。

村上:エフェクトはどうされていますか?
EasyPop:理想としてはソフトシンセの音をすっぴんのままフリーズして、あとでエフェクトを掛けたいのですが、明らかに160Kあたりがモコモコしている場合なんかはEQで切ってからフリーズしたりします。

ただ、可能な限りオーディオにしてからEQやコンプなどを掛けたいと思っていますね。



村上:今はハードシンセは使っていないのでしょうか?
EasyPop:1年ぐらい前からですが、リズムだけは使っていますね。

自分の曲を作るにあたって自分の曲をもっと大事にしたいっていうのがあるので、リスナーの皆さんは気がつかなくても自分がオンリーワンの音にしたんだ、という満足感は結構必要だと思っています。

ローランドTR8Sかな、リズムマシーンを去年買いまして、スネアの音とかはあれを叩いて録音して、それをDAWに投げ込んでピッチ編集したりします。

キックは3つぐらいレイヤーしたものをソフトサンプラーに投げ込むというのが基本的な僕のキックの作り方で、一番下のキックは、コルグのボルカキックっていうキックだけのハードがあるんですけど、それを指で叩いて録音して最近は使っています。
なかなか腰のある良いキックが出るんです。
きっと誰も気がつきませんけどね。
僕の中だけの満足感というか、ただ聞かれたときに、「いや、実は…」みたいなことが言えますよね(笑)

あと、ランダマイズという機能がありますが、打ち込むときに凄く大事で、全部が規則的になるところで、例えばピアノのアルペジオだったりスネアのズレであったりとかイベント選択して掛かるわけじゃないですか?
このあたりの機能はすごく大事だと思っています。

村上:実は、この機能はユーザーさんが言ってきたんですよ。
EasyPop:いいですね。

村上:Singer Song Writer 8.0の頃はネット環境が発達してなかったのでアップデートもやりにくかったのですが、最近はアップデートも手軽にできるので割と頻繁にユーザーさんの声は反映しています。
EasyPop:いいことですね。
そういうのがしっかり反映されるのが国産であり、インターネットさんのいいところだと思うんですよ。
近いじゃないですか、ユーザーさんとの距離がね。

ランダマイズは、基本中の基本かもしれないですけど、絶対欲しいですし、ピアノのアルペジオとかでも掛けたものと掛けてないものは全然違ったりしますし、有名なギター音源のリアルギターだってランダマイズは後から入ったぐらいなので、打ち込むときはぜひ活用して貰えば良いなと思いますね。

あと、ステップシーケンサーですけど、他のDAWでいうとFL STUDIOっぽいですよね。
ダンスミュージックってループ単位でやることが多いので、これは使いやすいですし入った時に良いなと思いました。


村上:これは入力したものがループできますからね。
EasyPop:いいですよね。
これでササッと3トラックぐらいのリズムシーケンスを作ってオーディオにして、自作のループも作れるわけですよね。
だからいろいろ活用できるのではと考えています。

あと、話がビギナー向けに戻ってしまうかもしれませんが、お家芸でもあるメディアブラウザですよね。
中級者以上には必要ないのかもしれないですけど、今回簡単にトラックのデータを作ってきましたが、オーディオの波形も出ますし、MIDIはコード変換されて貼り付けられますしね。

これ、選ぶだけでも時間がかなり経っちゃうぐらいのバリエーションがありますし、ビギナーから中級者にしてみたら嬉しいですね。
しかも日本語でタンゴとかチャチャチャとかメチャクチャあるわけですよね。
それを聞いて、これがワルツのリズムだとか、これがテクノだとか色々と分かるわけじゃないですか。
これから音楽を作ろうとか、幅広いジャンルを作るにあたって大事だと思うんですよ。

村上:これは自分で打ち込んだデータもフレーズ登録できるんですよ。
EasyPop:そうなんですか、使うだけでした。
自分で作っておいて、いつでも貼り付けられるというのは、なお有用ですね。
VOCALOID Megpoid(GUMI)はハキハキと歌ってくれて、初めて使うボーカロイドにはもってこいだと思う。
村上:話がABILITYとは離れますが、ボーカロイドのGUMIを使っていただいておりますが、GUMIはいかがでしょうか?
EasyPop:ハッピーシンセサイザもGUMIで、それ以外でも割とGUMIはハキハキと歌ってくれて、割れちゃうくらいの声の音圧があるので好きですよね。

使いやすいっていうか、ビギナー向けかなって思いますね。

村上:昨年のニコニコ超会議の「超ボカニコ2019」のステージ用のリミックストラックも作成いただきました。
EasyPop:そう、10周年のね。
おめでとうございました。

村上:ありがとうございます。
EasyPop:まさか僕がとびっくりしましたが、ニコニコ超会議のGUMIの10周年リミックスをさせてもらいました。
ほんと、名曲ぞろいでした。
どの曲もハキハキとGUMIは聞き取れるので、人の声に近いというと語弊があるかもしれないですけど、芯がありますよね。

村上:実はとった声をあんまりエディットしてないんですよね。
コンプやEQも掛けていないんです。
EasyPop:あっ、そうなんですか。
GUMIと初音ミクは音がでかいじゃないですか。
そもそもの音がでかいので、もうその時点で使い易い部分があると思っています。

村上:いろいろなボーカロイドを使い分けているんですよね?
EasyPop:そうですね。
割と仕事の面とかもありますけど、GUMI、初音ミク、巡音ルカはいっぱい使っていますね。
GUMIはハッピーシンセサイザで使っているというのもあるので思い入れは大きいですけど、初めて使うボーカロイドにはもってこいだと思いますね。

作ったときに凄い歌っている感があるので、自分が歌を作ってるんだって気持ちにはなりやすいんじゃないですかね。

僕は初期のVOCALOID2を持っていますが、わざわざVOCALOID3のネイティブを買い直しました。若干違いますよね。

村上:VOCALOID2もVOCALOID3も元の波形は同じなんですけど、再編集して作り直しました。
EasyPop:なるほど、若干鳴りが違うってことですよね。

Powerも持っていますが、ちょっといかついですよね(笑)
やっぱり独特の声がコロッとひっくり返るみたいな感じも含めてネイティブが好きですね。

先程の超会議の話に戻りますけど、名曲をしっかり聴かせてもらって20分つなぎましたけど、でも皆さん不思議なもので、それぞれ歌い方とか鳴らし方とか全然違っていて、ああでもないこうでもないとニヤニヤしながら作りました。


村上:曲のつなぎの部分は結構工夫されているんですか?
EasyPop:今回のGUMIの場合は自分の曲ではないので、粗相がないようにというのもありましたけど。
次の曲に行くときのみんなへの気付かせ方。

全部名曲なのでどの曲でも分かるじゃないですか。
でもカットインでバーンとはいっちゃうとつまんないので、少しずつ入ってきてジワジワとフィルターが開いて入ってきて、あの曲じゃんってなった時のザワザワ感っていうのが僕はDJの良いところだと思っているので、俺が聴いたらここでザワザワするなっていうのを自分なりの解釈でつなぎました。

村上:それはDAW上で曲を並べてつなぐのでしょうか?
EasyPop:そうですね。
ステージ上は僕がDJをするわけではないので、GUMIちゃんがやるんだったらこうすんじゃないかな?みたいな感じで、DAW上で並べてテンポを変えて、大事な曲の時は1小節ブレイク入れて、最後ドーンみたいな。

誰に刺さるかって分からないですけど、自分だったら刺さるっていうのを一つ指針にしてやっていますね。

村上:なるほど、そうなんですね。
本日はいろいろと貴重なお話しをいただきありがとうございました。
まだまだお聞きしたいことはたくさんありますが、以上でインタビューを終わらせていただきます。
今後も益々のご活躍を楽しみにしております。
本日は、ありがとうございました。


【EasyPop/BETTIさんプロフィール】
作詞曲、編曲家、ボカロP、DJ。
高校卒業後、趣味でDTMと作曲を始める。
自サイトや楽曲投稿サイトで活動しながらVoのHirokoとWebユニットEasyPopを開始。
EasyPop解散後、2009年よりVOCALOID楽曲の投稿を開始。


<主な楽曲製作、提供、掲載など>
  • マジカルミライ2019「巡音ルカ 10th Anniversary」テーマソング「Jump for Joy」書き下ろし
  • モーリーオンラインBGM楽曲「Scattered Dreams」書き下ろし
  • 学研様 「ボカロで覚える高校日本史」「SENGOKU LOOP MUSIC」書き下ろし
  • スマホゲーム 戦闘摂理解析システム#コンパスヒーロー『輝龍院きらら』テーマソング「だから言ったでしょ?」作詞 作曲 編曲
  • しまむら×鏡音レン×96猫 コラボ曲「Days」作詞 作曲 編曲
  • どうぶつビスケッツ/さふぁりどらいぶ♪「Poppin' ジャパリズム」編曲
  • GARNiDELiA/響喜乱舞収録「Girls」作詞 作曲
  • テレビ新潟/TeNY様2020就活応援ソング「見たことのない景色」作詞曲 編曲
  • TeNYテレビ新潟様 2019就活応援ソング「僕が見えないもの」作詞 作曲 編曲
  • バンドリ!ガールズバンドパーティー!楽曲収録
  • 学研様 ボカロで覚える中学英単語教材用楽曲 製作 提供
  • カセットストアデイジャパン2017「MIKU'S TAPE -10th Anniversary Edition-」収録楽曲提供
  • ネット時代のボカロP 秘伝の書 (シンコーミュージック 刊)インタビュー掲載
  • ALIENTO様 TV CM楽曲製作
  • ローソン×VOCALOID ローソン様店内楽曲製作、提供
  • 江崎グリコ×ニコニコ動画 リファレンス楽曲、製作、提供
  • ミスマガ×ボカロP ミスマガジン2011さんへの楽曲製作、提供
  • niconico企画 ニコニコワンダーランド及びニコニコワンダーランド2 テーマ曲他楽曲製作
  • アスキーメディアワークス MIKU-Pack09 楽曲製作、提供
  • CDジャーナル2012年5月号、対談掲載
  • NINTENDO 3DS用ソフト「初音ミク Project mirai」シリーズや「太鼓の達人」
    スマートフォンアプリ、及びアーケードゲーム 「バンドリ!ガールズバンドパーティー!」「jubeat」「グルーヴコースター」等はじめ、多数のプラットホーム及びリズム、音楽ゲームに楽曲収録。
  • etc.

<代表楽曲>
「ハッピーシンセサイザ」「Jump for Joy」「ハイファイレイヴァー」「だから言ったでしょ?」「Girls」etc.


Twitter@easypop_betti
Web:http://easypop.jp/