Sound it! Lesson

Linear Phase Multiband Compressor

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Linear Phase Multiband Compressorは、周波数による位相歪がないフィルタで4分割された帯域毎にコンプレッサーをかけることにより、イコライザとは異なる空気感を演出することができます。

このサンプルでは、キックとベースによるリズムの頭を強調し、スネアとギターの帯域を調整しています。同じデータを Linear Phase EQ で処理した場合とを比較してみてください。

編集前
編集前

編集後
編集後

*編集前と編集後の違いは、ステレオヘッドフォンで試聴するとよりその効果がわかりやすくなります。

操作手順

  1. データを読み込みます。
  2. 範囲選択します。
    *データ全体にエフェクトをかける場合には、範囲選択する必要はありません。
  3. エフェクターに「Linear Phase Multiband Compressor」を設定します。
    加工メニュー「エフェクト」から「Linear Phase Multiband Compressor」を選んでクリックするか、または、プレイパネルにあるEffectボタンをクリックすると表示されるリストから「Linear Phase Multiband Compressor」を選んでください。

    ワンポイントアドバイス

    ミキサーのINSERT(インサート)セクションからオーディオデータの出力に対してリアルタイムにエフェクトをかけることもできます。

    詳しくは「ミキサーについて」内の「ミキサーからリアルタイムエフェクトをかける」をご参照ください。

  4. 各コントロールのスライダー/ノブを、お好みに合わせて調整し、PLAY(試聴)を繰り返しながら、データに合う値を決めてください。

    ワンポイントアドバイス

    Linear Phase Multiband Compressor(リニアフェイズ マルチバンド コンプレッサー)は、ロー(低域)、ローミッド(低中域)、ハイミッド(高中域)、ハイ(高域)の4つの帯域に分割する際、周波数による位相歪が発生しないのが特長で、各帯域でそれぞれ違った設定のコンプレッサーをかけることができます。特定の楽器、例えば、ドラム楽器のハイハットやバスドラムなど、特定の音域で鳴る楽器音に対して、コンプレッサーをかけたい場合などに効果的です。

    ここでは、一例として低域と中域に絞りを与える設定をご紹介します。

    • ゲイン
      ロー : +4.5dB
      ローミッド : +6.7dB
      ハイミッド : +1.7dB
      ハイ : 0dB
    • コンプレッサー
      ロー :
      THRESHOLD(スレッショルド)=-25.1dB
      RELEASE(リリース)=0.01sec
      ATTACK(アタック)=7.8ms
      RATIO(レシオ)=29.2

      ハイミッド :
      THRESHOLD(スレッショルド)=-25.8dB
      RELEASE(リリース)=0.01sec
      ATTACK(アタック)=5.4ms
      RATIO(レシオ)=29.2

      ローミッド、ハイ :
      設定なし
    ワンポイント画像
  5. データに合う設定が決まったら「OK(実行)」をクリックし、データへの反映を実行します。

    ★サンプルデータ(編集後)での設定値はこちら
    実行
  6. 聴いてみましょう。
    処理実行後、データを元に戻したい場合は「編集」メニューから「元に戻す」をクリックしてください。
    *データ保存後は元に戻りません。
    ノーマライズ
  7. 保存します。

プリセット詳細

プリセット名称効果
Snare スネアの鳴りを強調するサウンド
Hi-Hut ハイハットの鳴りを強調するサウンド
Bass Drum バスドラムの鳴りを強調するサウンド
Vocals ボーカルを強調するサウンド

気に入ったプリセットがない場合、お好みのプリセットを作成することが可能です。プリセット作成方法につきましては、Q&A「プリセットの保存(SAVEボタン)」 、「プリセットの保存(既存のプリセットをコピーして編集する)」をご参照下さい。

また、プリセットの初期化につきましてはQ&A「プリセットの初期化」をご参照下さい。